令和4年4月1日のカリキュラム改正に伴い、カリキュラム・ポリシーが新たに策定されました。
本学の教育課程は、「地域の人々の健康な暮らしを支える看護職の育成」を目指すために、豊かな人間性と教養を育む「教養科目」、看護学を学ぶ基礎となる保健・医療・福祉に関する幅広い知識を得る「専門基礎科目」、多様な対象の看護ニーズに応えうる知識・技術・態度の育成とともに看護専門職者としての資質を高める「専門科目」の3つの科目群で編成している。
(1)生命の尊厳と人々の権利を擁護できる高い倫理観と、幅広い教養に支えられた豊かな人間性を育む ための科目を全学年に配置している。
(2)生活者としての人間理解に必要な科目や看護に必要な人体の構造や機能、人々の心の働き、疾病や障害が生じるメカニズムと回復過程を理解するための科目を体系的・系統的に配置している。
看護学の基本的概念や看護実践の基本となる専門知識を学ぶ科目を1年次から配置する。また、多様な場・対象への看護実践に必要な知識・技術(アセスメントを含む)・態度を修得するための科目を体系的に配置している。
(3)地域の人々の暮らしと文化に関心を向け、地域の人々の健康づくりに貢献できる能力を培うための科目(地域志向科目)を系統的に配置している。
国内外との比較を通して新潟県と上越地域の生活文化を理解するための科目を1年次から配置し、地域の人々とともに地域づくりを推進するために必要な基本的知識と技術を修得するための科目を体系的に配置している。
注)地域志向科目とは、本学の教育理念・目標に掲げられた「自己及び他者への深い洞察力をもって自己成長への志向を育み、地域に貢献できる人材」を目指すための科目である。新潟県・上越地域というフィールドにおいて“地域活動に参加する”“人々と交流する”“他者と学ぶ、他者から学ぶ”などの体験を通して、地域における課題を解決する能力を培い、さらに看護学の深い学びへとつなげる。
(4)生涯学習の視点から、看護職として自ら発展していくことのできるキャリア教育を行う。
社会情勢の変化や科学技術の発達に主体的・創造的に対応していくために、それぞれの科目で多様な学修形態をもちいて、アクティブラーニングを促進する。
(5)保健・医療・福祉のチームの一員として、看護の専門的立場から、多職種と連携・協働する力を培うために必要な科目を体系的に配置している。
(6)国内外で看護実践ができる国際的な視野を持ち、対象地域の健康課題に柔軟に対応する知識・技術・態度を修得するために必要な科目を体系的に配置している。
(7)看護の専門性を探求し、看護学を発展させる基盤となる研究的態度を培うための科目を段階的に配置している。
1年次から知的探求技術(アカデミックスキル)を学ぶ科目を配置している。研究遂行能力の基本を修得するため4年次には看護研究を行う。
また、教育課程は、看護師課程と看護師・保健師課程(選抜制)の2つを置き、看護師課程は、地域志向の看護を実践できる専門的知識技術を修得するための科目を配置している。さらに、多様な場での看護の専門性を高めていくために、各自の興味関心に応じた看護専門分野の学修を深める選択科目を配置している。看護師・保健師課程では、社会の多様な健康課題に対応できるように、地域で生活する個人・家族・集団・組織の健康増進や疾病予防とQOL向上の知識・技術を修得するための科目を配置している。また、健康な地域づくりができる能力を身につけるための科目を配置している。
本学の教育課程は、教育理念に基づく教育目標を達成するために、「基礎科目」「専門支持科目」「専門科目」の3科目群で編成し、4年間を通じて段階的に教育が受けられるように以下のように構成している。
<1年次>
●豊かな人間性の涵養と総合的判断力、コミュニケーション能力の土台となる多様な視点を育成することを目的として「基礎科目群」を配置している。
●生活者に対する洞察力・想像力を育成するために、地域社会の人々と交流するプログラムとして「ふれあい実習」を組み込みこんでいる。
●質の高い対人交流能力を修得させるとともに、生涯学習の態度と基本的な知的探求の技術を修得することを目指し、少人数ゼミナール教育を組み込みこんでいる。
●看護に必要な科学的知識として人体の構造や機能、病態について理解できるように「専門支持科目」を配置している。
●看護学や看護職への動機づけを高めるために看護学概論、地域看護学概論、公衆衛生看護学概論、国際看護論、ライフステージと看護、成人看護学Ⅰ、看護援助論Ⅰ・Ⅱおよび基礎看護技術演習Ⅰ、初めての病院実習となる基礎看護学実習Ⅰなどの「専門科目」を配置している。
<2年次>
●看護に必要な科学的知識として、病態、感染について理解できること、および保健・医療・福祉の視点から看護活動の必要性が判断できることを目的とした「専門支持科目」を配置している。
●1年次の専門科目を基盤にして、基礎看護技術演習Ⅱ、日常生活援助を主体とした基礎看護学実習Ⅱ、健康状態やライフステージに応じた対象者とその家族の看護の必要性を理解するための「専門科目」を配置している。
<3年次>
●「専門科目」が中心となり、健康状態やライフステージに応じた看護技術の修得のための演習、および対象の健康状態や個別性を考慮し、科学的根拠に基づいた看護実践能力を育成するための臨地実習を配置している。
●看護の発展に必要な看護研究の基礎を学ぶ科目を組み込んでいる。
●保健師課程(選択)と助産師課程(選択)では、後期から各国家試験の受験資格取得のための科目を配置している。
<4年次>
●「専門科目」が中心となり、研究的視点や生涯学習能力を育成するための少人数制の専門ゼミナールや看護研究をはじめ、看護実践の専門性や看護マネジメント能力を養うための総合実習を組み込んでいる。
●多様な分野での看護職としての活躍と看護の発展に寄与するために、看護政策・行政、国際看護などに関する科目を配置している。
●保健師課程(選択)では、地域で生活する人の健康増進や疾病予防、健康回復を支援するための知識・技術を修得し、保健師国家試験の受験資格取得のための科目を配置している。
●助産師課程(選択)では、妊娠・分娩・産褥・新生児期における助産診断および分娩介助技術を含む助産技術を習得するとともに、女性の一生における健康を維持・増進するためのケアを学び、助産師国家試験の受験資格取得のための科目を配置している。